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内部監査実施手順

内部監査の一般的な実施手順

①中(長)期内部監査計画の立案
 企業の中期経営計画や事業戦略等の達成する上で、内部監査部門に与えられた役割や期待を具体化していきます。
1.テーマ
当該会社の問題点・要改善点のリストアップ・リスト項目の優先順位・スケージュール化
2.組織運営
人材の確保と育成、他の監査機能(監査業務区分)との連携時との連携または活用、予算など。
②年度内部監査計画の立案
 中期内部監査計画を基に、割り当てられた年次目標を達成するために、年度内部監査計画書を立案します。
 内容としては中期計画と同様、テーマ・組織運営等で、より具体的に被監査部門の繁忙期を避けるなど配慮し年間監査をスケージュール化します。
③個別監査計画の立案
  年度計画に基づいて、各個別のテーマまたは実施の毎に個別の計画書を作成します。
 実施予定時期が近づいたならば、予備調査を行い、被監査部門に対して通知します。(通常1~2ヶ月程度前)
 事前通知せず抜き打ちに行う場合もありますが、通知することで、必要書類・データの用意や当該監査に対す責任者の出席を確実にし、効率的・効果的に実施できるるからです。
④内部監査の実施
 個別計画に基づいて実施されます。実施については必要に応じて、専門知識を持つ者や関連部門からの応援を依頼します。
 現場での作業が終了したならば、報告書等の作成前に、被監査部門との講評会を開き、検出された問題点や改善案についての確認を行ないます。
⑤監査報告書の作成
  報告書に記載する意見には、客観性を持たせるため証拠書類が必要となりますので、実施の際には留意が必要です。
 通常、内部監査終了後2週間程度以内に提出します。
⑥被監査部門・社長への結果通知
  報告書により社長への結果報告及び、被監査部門への報告を行う。その際、改善勧告として効率的でない点や問題点等があるのならば、『改善指示書』により、どのように非効率でありまたは問題なのか・どのように改善をおこない・その改善をいつまでに行うか等を具体的示し(または被監査部門に回答を求める)、被監査部門が改善への対応を行ないしやすいようにしなければなしません。
⑦改善指示がある場合は、改善実施と回答書提出
  改善報告書により指摘を受けた事項について、改善の実施とそれに対する結果報告として、『改善指示回答書』を作成し提出する。(改善程度や改善責任者等)
⑧改善実施状況のチェック
  改善された事項について、再監査を行う。(改善終了後直ぐに行うか、次回の内部監査において確認します。)

予備調査の重要性

 内部監査の成否は、予備調査や事前準備の良し悪しで決まってしまうと言っても過言ではありません。
 会計監査については、財務諸表の適正性に関する意見という目的がはっきりしてるので、予備調査は初年度以外はあまり行なわれませんが、内部監査は任意監査であり、あらゆるものが監査対象と成り得ますし、その手続きなども決まっていませんので、自らが取り決める必要があります。
 その為、質の高い監査を行うには、予備調査から一連の監査手続きの組み立てを行なう必要があるのです。

 

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