内部統制に関係を有する者の役割と責任

　内部統制は、一部の上層部のみで整備及び運用が行なえるわけではなく、有効な内部統制の整備及び運用には、すべての者が、それぞれの役割と責任において、職務を果たすことが求められます。

　内部統制における、各役職及び機関の役割と責任は以下の通りになります。

経営者

　経営者は、取締役会が決定した基本方針に基づき内部統制を整備及び運用する役割と責任があり、組織のすべての活動について最終的な責任を有しています。
　経営者は、組織内の誰よりも、統制環境に係る要因、要素に対する影響があり、内部統制の整備に大きな影響を有します。

取締役会

　取締役会は、内部統制の整備及び運用に係る基本的方針を決定します。
　また取締役会は、経営者の業務執行を監督する機関であることから、経営者による内部統制の整備及び運用に対しても監督責任が有ります。

監査役又は監査委員会

　監査役又は監査委員会は、取締役及び執行役の業務の執行に対する監査の一環として、独立した立場から、内部統制の整備及び運用を監視、検証する役割と責任を有しています。

内部監査人

　内部監査人は、内部統制の目的をより効果的に達成するために、内部統制の基本的要素であるモニタリングの一環として、内部統制の整備及び運用状況を検討、評価し、必要に応じて、その改善を促す職務を担います。
　内部監査人は、経営者の直属として設置され、内部統制の独立的評価において重要な役割を担っています。そのため経営者は、内部監査人を監査対象の業務及び部署から独立させ、当該業務及び部署に対し直接の権限や責任を負わない状況、更に内部監査人から適時・適切に報告を受けることができる体制を確保する必要があります。

組織内のその他の者

　内部統制は、組織内のすべての者によって遂行されるプロセスであり、上記以外の組織内のその他の者も、自ら業務との関連において、有効な内部統制の整備及び運用に一定の役割を担っています。
　なお、組織内のその他の者には、正社員だけでなく、短期、臨時雇用の従業員(アルバイト・パート等)も含まれています。

内部統制の整備及び運用における役割と責任